私は十数年以前から、自然栽培法といって金肥人肥を用いず、自然のみの肥料を使って農作物の大収穫を得ることを発見し提唱して来たのであるが、その当時農民に向かっていかに説得し信じさせようとしても、なかなか耳を籍す者がなくずいぶん努力をしたが思う様にはゆかなかった。しかし最初からの私の信念は、これこそ絶対の真理である以上、いつかは必ず分かる時が来るに違いないとともに、これによらなければ、農民はいつになっても救われないばかりか、国家の運命にも至大なる関係があることを考え、撓まず屈せず今日に至ったのである。ところが幸か不幸か、私の憂慮した通りの重大なる事態となってきた今日、農民諸君はもとより一般日本人にも分からせなければならないことを痛感するのみか、この自然栽培の前途にも漸く光明が見え始めたので、いよいよ時機至れりとここに大宣伝を行うこととなったのである。
そうして、この農法に都合のよかったことは、私が宗教家であるだけに、信者は不思議な説とは思いながらも、ともかく信じて実行に移った者も少なくなかったので、割合早く効果が分かり、共鳴者も追い追いでき、最近に至っては信仰者ならざる一般農民層も、漸く注目を払うに至ったのである。しかも今回別項のごとく農林技官金崎貞男氏が、職掌柄技術方面の見地から、数年に亘って熱心に研究の結果、ここにいよいよ驚嘆すべき成果を認め、発表することとなったので、私としては喜びに堪えないのである。それというのも一般はこの栽培法は宗教から出たという理由で、ともすれば迷信視せられがちなのが、同技官の発表によって、それを打ち消すに大いに力あると思うからである。
いうまでもなく現在日本における最大の悩みは、何といっても主食の不足である。なにしろ終戦後狭くなったこの国土に対し、人口の方は増えるばかりで、現在すでに八千四百万というのであるから、ここに緊迫せる問題となったのである。しかも本年のごときは、二千数百万石の不足となるので、それがため各国からの輸入によって、辛くも安定を得ているに過ぎないとともに、その輸入額に至っては、実に千数百億に上るのであるから、国家経済の上からいっても、実に容易ならぬ事態となったので、この解決ができない限り、わが国の前途やまったく寒心に堪えないものがある。のみならず世界の状勢によっては、いついかなる事態が発生するやも分からないのだから、全国民に対する絶対量の確保は、どうしても達成しなければならないのである。そこで政府も農民も、あらん限りの手段方法を尽くしてはいるが、なかなか思うようにならないばかりか、ややもすれば減産の傾向さえ見える。本年のごときは、昨年よりも約三百万石の減収であるに対し、かの産制も期待薄く、人口増加の趨勢はいまのところ年百万以上と見ねばなるまいから、この大危機を解決するには、何らか画期的大奇蹟でも現れない限り、どうしょうもないのである。
しからばなぜわが国が全人口を養うに足るだけの米の産額を得られないかというと、これこそ私が言わんとするところの根本理由である。それは現在までの農耕法に一大欠陥があったからで、その欠陥というのは金肥、人肥のごとき人為肥料であってそれに気がつかなかったのである。ではなぜそれほどの過誤が、今日まで分からなかったかというと、長い間に不知不識一種の肥料迷信に陥ってしまったのである。ところが、私はそれを発見した以上、その迷夢を醒まし、農耕法の大革命をしなければならないと痛感し、この運動を起こしたのである。
ここでいよいよ本農法が、堆肥のみで大収穫を得られるというその原理と、方法を詳しく書いてみるが、その前にまずこの自然栽培法の効果である。それはこの方法を五カ年継続すれば、全国を平均して五割増産は易々たるものである。としたら恐らく何人といえどもとうてい信じられないであろう。そこで現在の平年作六千三百万石とみて、五割増産は九千四百五十万石となるから、日本人がたらふく食っても、なお一千万石の余剰米ができるから、今度は反対に輸出しなければならないことになろう。そればかりではない、肥料代も要らず、虫害は何分の一に減り、風水害も半分以下に減るから、労力もまた半減するであろうし、実に驚異的農耕法である。以上は米のみについてであるが、この自然栽培法は一般農作物に対しても同様であって、それらもザッと書いてみるが、まずいかなる野菜でもすばらしい実績が挙がるのは勿論、例えば薩摩芋なども驚くほど巨大なものができ、一個の目方五、六百匁くらいはザラであるから、総収穫量も有肥よりも二倍以上は確実である。また豆類も粒が大きく、数量も増えるので、三倍くらいの収穫は容易である。大根なども色白く、キメ細かく粘っとりとして、ザクザクなどはさらになくすこぶる美味であり、菜類も色がよく虫食いがなく軟らかで、これまたすこぶる美味である。その他玉蜀黍（とうもろこし）でも南瓜でも、西瓜等、野菜と名のつく野菜は何でもよく、一々は略すがとうてい想像だもっかないのである。
そうして特筆すべきは、自然栽培でできたもののすばらしい美味である。米麦でも野菜でも一度味を覚えたら、有肥栽培の物はとうてい食う気にはなれなくなる。現に私なども無肥の物のみを食っているが、幸いな事には無肥栽培者がますます増えるので、現在は食い切れないほどもらうのである。また果実も同様人為肥料を廃めてから年々収穫が増すとともに、質も良好で、多収入となり、皆感謝している。花卉にしても花は大きく、色鮮やかで美しく、生花などに使う場合、長持ちがするとて喜ばれている。
次に自然栽培は、害虫が激減することである。元来害虫なるものは、人為肥料から湧くものであるから、廃止すれば湧かないにきまっている。ところが現在は害虫を駆除しようとして、殺虫剤や消毒薬を旺んに用いるが、実はこれが土壌へ浸み込んで、害虫発生の原因となるのでその無智なる哀れむべきである。そうして近頃のごとく、毎年といいたいほど風水害を蒙るが、自然栽培によれば実に被害が少なくなる。というわけは本来作物が人為肥料を吸収すると意外にも非常に弱くなるもので、それはこういうわけである。すなわち人肥でも金肥でも、作物が吸収するやそれが有毒化し、その毒が害虫の食物となり、繁殖するという理由を私は発見したのである。また肥料によっては肥料自体から微生虫が湧き、それが作物そのものを食いつつ殖えてゆき、根に発生すれば毛根を食い荒し、弱らしてしまう。葉枯れ、茎折れ、花落ち、実の不熟、馬鈴薯の萎縮などの原因もそれである。また毛根以外の場合にも、種々の微生虫が発生するが、作物自体が健全であればそれを死滅させる力があるが、前記のごとく肥料のため脆弱となっている以上、微生虫に負けてしまうのである。また風水害に遭っても無肥の方は強靱で、倒伏も少なく、倒れても直ぐに起き上がるが、有肥の方は倒れたままで、大きな被害を蒙るので、この理由として根を見ればよく判る。無肥の方は毛根が有肥のよりもズッと多くて長いから、根張りが強いためである。
また稲でも野菜でも葉の短いのが特徴であって、これはあらゆる作物について農民も知らるる通り、丈が低く葉伸びの少ないほど、実が多く生るとしている。これに反し有肥の方は丈も長く、葉も大きいから、見た目は立派だが実りは案外悪いものである。
次に蚕であるが、これも無肥の桑で育てると非常に健康で、できた糸質も強靱で光沢がよく、極めて優良で勿論増産になる。それは病蚕発生がないからである。
以上のごとくあらゆる耕作物は、有肥栽培に比して無肥栽培の方が、比較にならないほど有利であるかは以上の通りである。それについて知らねばならないことは、第一土なるものの性能である。そもそも土とは造物主が人畜を養うために作物を生産すべく造られたものである以上、土そのものの本質は、肥料分があり余るほどで、いわば肥料の塊といってもいいくらいのものである。それを今日まで全然知らず、肥料は作物の食物のように誤ってしまい、いろいろな人為肥料を施した結果が、意外にも土本来の力を弱らせてしまったのである。よく日本の土質は酸性だといわれるが、まったくそのためである。としたら何と驚くべき錯誤ではなかろうか。この意味において作物を増産せんとするには、土自体の力をできるだけ強化させることである。ではどうすればいいかというと、それは土に対し堆肥以外いささかの不純物も混じえず、できるだけ清浄にすることで、それだけですばらしい成績を挙げられるのであるから、いままでの頭脳ではとうてい信ずることはできないのである。右の理によって、自然栽培の根本理念はあくまで自然尊重であって、それは自然がよく教えている。およそ世界にある森羅万象あらゆるものの生成化育を見れば分かるごとく、大自然の力、すなわち太陽、月球、地球というように火水土の三元素によらぬものは一つもない。勿論作物といえどもそうであるから、日当たりをよくし、水分を豊富にし、土をより清くすることによって、作物は人間の必要以上余るほど生産されるものである。見よ地上には枯れ草も落ち葉も豊富にでき、年々秋になればそれが地上を埋め尽くすではないか。これこそまったく土を豊穣にするためのものであって、それを肥料にせよと教えている。そうして耕作者は堆肥に肥料分があるように思うが、決してそうではない。本来の堆肥の効果は、土を乾かさないためと、温めるためと、固めないためである。つまり水分を吸収し、熱を吸収し、土が固まらないようにするにある。
以上の理によって稲に与える肥料は、藁をできるだけ細かく切り、土へよく握り交ぜればいいので、それが自然である。藁は稲の産物であるからで、これは根を温める効果がある。また野菜の方に枯れ草や落ち葉がいいのは、畠の近くには必ず林があり、落ち葉、枯れ草があるにみてそれを使えという意味である。そうして地球の中心は巨大な火の塊であって、不断にこれから地熱すなわち地霊を放射している。これが窒素であって、この窒素こそ神が与えた肥料で、地表を透過し地上ある程度の高さに達して滞溜し、それが雨によって地上へ降下し地面に浸潤する。これが自然の窒素肥料で天から降ったものであり、勿論量においても過不足なくちょうどいいくらいなのである。ではなぜ窒素肥料を使い始めたかというと、これには理由がある。かの第一次大戦の折、ドイツにおいては食糧不足のため、急激に増産せねばならず、そこで空中から窒素を採ることを発見し、使用したところ大いに増産されたので、それ以来世界的に普及されたのであるが、右は一時的効果であって、決して長く続くものではない。いずれは窒素過剰に陥り、土が弱って減産することになるが、その理がまだ判らないのである。つまり麻薬中毒と同様であると思えばいい。
ここで注意すべきことがある。それは自然栽培に切り替えても、その水田の土と種子に残っている肥毒の多少が大いに影響する。例えば本栽培にしてもある水田は一年目から一割くらいの増収になるところがあるかと思えば、一年目二年目とも一、二割の減収で、漸く三年目になってから一、二割の増収となり、漸次予期の成績となるのである。したがってまず普通としては一年目従来と同様、二年目一割増、三年目二割増、四年目三、四割増、五年目から五割増とみれば、まず間違いはあるまい。したがってもしあまりに成績の悪い場合は人為肥料が多量に残っているためであるから、一時客土によって緩和すればよい。
いま一つ重要なる一事がある。それは硫安のごとき化学肥料は、稲が吸収する以上、その劇毒がたとえ微量であっても、人間は一旦二度ずつ腹の中へ入れるのだから、不知不識の内に人体に害を及ぼすのは当然である。近代人の罹病率が多くなったのも、そうした原因もないとはいえないであろう。
最後に自然栽培に対する経済的利益をザッと挙げてみるが、
①肥料代が要らなくなる。
②労力が半減する。
③収穫が大増量する。
④目方が増え、焚き減りがなく美味である。
⑤虫害はほとんどなくなる。
⑥現在最も悩みの種とされている回虫や、その他の寄生虫問題も完全に解決する。
以上によってみても、本栽培法がいかに画期的で一大福音であるかが分かるであろう。この実行によって、日本の食糧問題は一挙に解決するは勿論、それが動機となって他のあらゆる問題、特に人間の健康に対しても、好影響を与えるのは勿論である。この栽培法が日本全土へ行き渡るとしたら、日本の再建を早め、高度の文化国家として全世界から仰がるる日の来ることは断じて間違いないのである。この意味において、私はこの特集号をもって、一人でも多くの日本人に読ませたい念願である。
最後に言いたいことは、これをもって宗教宣伝のためにする意志は毫末もないことで、それは無信仰者でも実行すれば、右のごとき好成績を挙げ得るからである。
今度各地から報告された昨年度の成績をみると、時期が早いため収穫までに到らないものもあって遺憾ではあるが、しかし大体は判ったので、これについて私の感想を書いてみるが、なによりも自然農法は、いままで作物の生命と頼んで来た肥料を否定するのであるから、最初は家族をはじめ、村人等から思わざる非難攻撃を受け、潮笑の的とされるので、実に血の涙で隠忍自重、黙々と頑張り通して来たことは、読みながら私は目頭が熱くなるくらいである。まったく信仰ならではという感が胸に迫るが、なにしろ先祖代々肥料迷信になりきっている人達からみれば、反対するのも無理はない。これについて思われることは、歴史上今日でも、人類に多大な貢献をなしつつある発明発見といえども、その当初は例外なく誤解と迫害を浴び、苦心惨憺押し切って来た幾多の記録は、吾々の魂を揺り動かさずには措かないものがある。
そんなわけでこの自然農法どいえども、一時は相当反対されるであろうことは覚悟はしていたが、何といっても実際に驚異的成果を挙げる以上、ある時期までの辛抱と思っていた。ところが予期のごとく、漸く各方面の注目を惹くに至ったことは、今度集まっただけの報告をみてもよく分かる。しかし最初は何といっても周囲の事情も悪いし、本人でさえ確信がもてないこととて、思い切って堂々とやり始めた人は少なく、大部分はオッカナ吃驚試作的に始めたのである。しかも土地にも種子にも肥毒が相当滲み込んでいるので、最初の年などは枯死するかと思うほどの黄葉、細茎等で、これを見ては不安焦燥、ひたすら神様に祈るのであるが、収穫時になると案外好成績なのでホッとするとは誰もがいう言葉であって、この難境を切り抜けてこそ、勝利の栄冠をかち得るのである。しかし本当をいうと四、五年本栽培を続けて、五割くらい増産の各地からの報告を載せたかったのだが、それまで待たれないほどの目下の実状であるとともに、もはやいままでの実績だけでも、本栽培の効果は充分判ると思うから、取りあえずこの特集号を刊行し、早急に農業者はもとより、一般人にも知らせるのである。
右の意味において、この際目からも耳からも入れるべく、この特集号は各大臣、国会議員、主なる新聞社、全国の農事試験場、農会、農事関係者等に、普く配布するとともに、準備つき次第全国的に本部から出張講演する予定である。したがって農村の信者諸君はもとより、一般信者諸君においても、大いに宣伝し、勧告されんことを望むのである。
次に最近の新聞紙上によれば、政府も思い余ったとみえ、本年度から莫大な費用を支出し、あらん限りの方策を樹て、一カ年三百万石増産の計画を実行するとのことである。それもいいが、いままで通り金肥人肥を使用するとすれば、他の農事改良や種々な方法を講じても三百万石増産はまず夢でしかあるまい。私の推測では旨くいって平年作か、下手をすると昨年のごとく減産になるかも知れないとさえ想えるのである。故に何としても肥料迷信を目醒めさせ、一日も早く自然農法に切り替えたいと思うのである。しかし幸いこのことが分かって実行するとしても、日本全国を一挙に切り替えることは無論不可能であるから、慎重の上にも慎重を期し、まず一カ年一割ずつ十年計画で実行すればいい。そうすれば全然減産の心配はなく、一、二年は平年作とみて、三年も過ぎると漸次増産となり、五、六年経た頃から五割以上は、太鼓判を捺しても間違いないのである。
ここで特に言いたいことがある。それは未信者ではちょっと分かり難いが、元来人間の主食である米というものは、神が人間を養うがために造られた物である以上、人口がいかに増えても必要量だけは必ず生産されるはずである。ところが現在のごとく一カ年二千万石も不足するというのは、まったく間違った農耕法、すなわち人為肥料を用いるからであって、前記のごとく五割以上増産になるとしたら、日本経済はどうなるであろう。借金王国の有り難くない名は逆となって、国民は鼓腹撃壌という文字通りの時代が来るのは必定である。こんなことをいうとあまりに棚ボタ式で、かえって疑念が起こるかも知れないが、私は根拠のないことは言わない。実績報告中にもある通り、自然栽培によって肥毒がなくなるに従い、稲は穂に穂が出る。すなわち一本の茎から何本もの枝が出て、その枝にことごとく実が生るから、少なくとも一茎で三百ないし五百粒は確かである。その上虫害もなく、風水害も激減するとしたら、昔からいわれる豊葦原瑞穂の国の名にはじない国となるであろう。以上によってみても、今後日本の人口が一億になり、二億になり、三億になっても、現在の耕地面積そのままで充分養えることは、断言してはばからないのである。
次にいま一つ言いたいことがある。それは報告中の随所に出ている浄霊の文字である。これは未信者には分かり難いだろうが、分かる分からないは別として、ザッと書いてみるが、つまり浄霊とは肥毒を消す方法である。なにしろ手を窮しただけで、すばらしい効能があるのだから、唯物思想で固まった頭脳ではとうてい分かりようがない。しかしこれこそ本教の真髄であるが、ここでは略すこととし、まず土の解剖をしてみよう。本来土というものは、霊と体との二要素から成り立っているもので、体とは土そのもので、霊とは目には見えないが土の本体である、いわば体は表で霊は裏である。ところが肥料は毒素である以上、土の体を弱らせるから、それが霊へ映って曇らせる。というのは霊主体従が万物の法則であるからで、いわば浄霊とは肥毒解消法である。すなわち浄霊の場合掌から一種の強力な光波が放射され、霊の曇りは払拭されるので、それが体に写って肥毒は減るのである。これが真理であってこの理を知らない科学は、半面である体だけを対象とする、つまり偏った学問である。このような不完全な科学と伝統的考え方のため、肥料によって土を弱らして来たのである。この原理を私は発見し、ここに自然栽培法が生まれたのであるから、これこそ真の科学であり、世界的大発見であろう。したがって画期的増産の実を挙げ得るのも、何ら不思議はないのである。
最後に注意すべきことがある。それは私の唱える五カ年にして五割増産というのは、普通量の人為肥料を施した田を標準としての成果であって、五年位で肥料分がまったく消滅するからである。ところが近年は収穫を挙げようとして、至る所の農村は硫安のごとき化学肥料を多量に用いるようになったので、今日自然農法に切り替えても、肥毒がまったく消滅するには、それだけ暇がかかるから五年以上とみねばなるまい。これは報告中にもある通り、自然栽培を実行しても、その成績に相当差があることで、これこそ肥毒の多少によるのであるが、これも直き分かる。すなわち出穂の場合黄色を帯びている間は肥毒のあるためで、肥毒がなくなるに従い、初めから青穂となる。したがってそのための浄霊であるから、五年以上たって肥毒皆無になれば、浄霊の必要もなくなるわけである。次に客土をすると、一時的成績が良くなるのは、肥毒のない土を入れるからであって、このことだけでも肥毒の害が分かりそうなものだが、分からないのはまったく肥料迷信に陥っているからである。