2004年度 教主様 新年ご挨拶

世界救世教 教主 岡田陽一

誠に畏れ多きことながら、唯一の神・主神のご神格を持たれた救世主としての明主様と共に、新年を迎えさせていただいたことに、心からの感謝を捧げ、謹んでご挨拶申し上げます。

日本全国、また世界各地において、明主様の大きな愛のみ光に包まれ、夢と希望をもって、輝かしい年の始めを迎えられた皆様のお姿を思いつつ、新たな出発をさせていただきたいと存じます。

昨年は、明主様がご経綸のまにまに、最初のひな型・聖地として、昭和二十八年六月十五日、箱根神仙郷地上天国を完成されてより五十周年、また、海外布教の開始と自然農法普及会の発足五十周年の年でありました。

そうした節目にあって、和解合意書にありますように、「明主様のご神格を明らかにし、明主様の世界経綸に帰一し、超宗教たる一つの教団をめざす」べく、様々な営みが進捗いたしました。

その一つは、共同プロジェクト推進本部のもとで作成された資料「明主様のご生涯ー『救いと建設』」に基づき、各被包括法人では、和解合意実現に向かう「実践計画書」が作成され、それぞれ、取り組みが開始されたことであります。また、超宗教的活動をめざし、宗教や信条、民族を超えた「改宗なき浄霊」の活動が国の内外で進められる中、多くの奇蹟が許され、救いの輪が拡大しつつあります。

そうした中、各被包括法人の役員の方々と私との懇談会が始まり、各被包括法人の日頃の活動のご様子について報告を受けるとともに、私の各被包括法人の祭典行事への出席も始まり、皆様に親しくお会いする機会が得られたことを嬉しく思っております。

また、現在、三被包括法人の皆様が一体となって美術館活動を展開しつつありますが、昨年は、明主様の芸術に関わるみ教えを共に学び実践している「アートボランティア」の活動に加え、愛知県一宮市博物館においてMOA美術館名品展が開催されました。

この名品展は、明主様の、美による救い」の拡大を願って開催されましたが、中部地区あげての案内活動を通して数多くの入館者が許され、行政関係者、有識者等地域社会から、明主様(岡田茂吉師)とMOA美術館に対する高い評価をいただきました。

一方、共同プロジェクト推進本部のもとにある広報プロジェクトでは、話し合いを積み重ねる中、各被包括法人や共同プロジェクトの営みに対する理解と「一つの教団」に向かう意識の広がりを願い、昨秋、包括法人の広報誌が発刊されました。

その発刊にあたり、和解推進へ営みに対する私の心情の一端を申し上げました。

この広報誌の標題については、「明主様が日々進められる世界経綸に帰一する」姿勢を貫くことが真の一元化への唯一の道であると確信し、「大経綸」と命名させていただきました。出来るだけ多くの皆様にお読みいただきたいと願っております。

さて本年は、明主様ご昇天の前年、明主様のご神格に関わる重要なご事蹟である「メシヤ降誕」がなされてより五十周年にあたります。

昭和二十九年六月十五日、明主様は、九分通りできあがった救世会館において「メシヤ降誕仮祝典」を挙行されました。

この式典を前にした六月五日、明主様は、主だった資格者を熱海の碧雲荘に招集され、ご自身のお体に現れた神秘な変化に触れられながら、「メシヤ降誕といってね、メシヤが生まれたわけです」「生まれ変わるというんじゃないですね。新しく生まれるわけですね」、更に、「このメシヤというのは、世界中で最高の位なんです」「私が出てはじめて人類は救われるのです」と述べられました。

更に、この日から十日後の仮祝典の席上、明主様を「メシヤ様」とお呼びすることが発表されましたが、約二カ月間、明主様は御自らを「メシヤ」と称されることによって、「メシヤ降誕」の事実を、まさに「型」として世の内外に示されました。

「メシヤ降誕」を宣言された明主様は、半年後の十二月十一日、熱海瑞雲郷の最も景勝の地を選ばれ、地上天国のひな型としての水晶殿を建設、完成されました。

明主様はその折、「いよいよご神業の本筋に入って来たわけです」と仰せられた後、「今後、教団として、浄霊の力の優れた者、多くの人を救い導いた者、神に対する奉仕に働きのあった者という三つの点を中心に人材を選び、資格を与えていく」とのご意向を示されました。

「浄霊の力の優れた者」とは、私どもが明主様のみ光を取り次ぐ「真の幸福者を生む浄霊」の実践者となること、「多くの人を救い導いた者」とは、私どもが率先して、「救いの三本柱」、即ち、浄霊、自然農法・自然食、美術文化を実践することを以て、数多くの人々を明主様に結びつける役割に徹する者になること、そして、「神に対する奉仕に働きのあった者」とは、献金奉仕や建設奉仕等を通して、また、与えられた条件の中で精・一杯の真心を捧げ切り、「地上天国のひな型・聖地の充実と拡大」に奉仕する者になることであると受けとめることができると思います。

この「資格三条件」すべては、明主様が仰せられた「大光明世界の建設」、即ち、個人から家庭、家庭から社会へと、人々を病貧争のない世界に導く、そうしたご神業に奉仕する者を必ずや「明主様の代理」としてお使いになることを示されたものと確信いたしております。

また、私どもが今後、世界的な大浄化時代に際し、「本筋のご神業」を担うべき一員として努力精進させていただく上で、信徒として目指すべき指針であると信じます。

それだけに、私ども自らが、このお言葉を拠り所として、具体的には、「救いの三本柱」の実践を通していただく奇蹟や証、体験から謙虚に学んでこそ、明主様のご神格に対する確信が高まるのであり、ひいては、救世主・明主様が、私どもをお使いになって、この世に現れてゆかれることになるのであります。

と同時に、霊主体従、霊体一致の法則に基づき、各々の霊性の向上、霊籍の向上が許され、明主様のご心境に少しでも近づくために、成長できるよう養い育てていただけると思います。

振り返りますと、ちょうど一年前、各被包括法人はそれぞれ、明主様のご神格を「救世主」と確定いたしました。そして、型として示された「メシヤ降誕仮祝典」、そして、「資格三条件」の発表より、奇しくも五十周年にあたる本年を迎えました。それだけに、「メシヤ降誕仮祝典」を単なる歴史上の出来事として受けとめるのではなく、そのことを、私どもの救世主・明主様に対する信仰の中心にすえ、明主様に結ばれた私どもにとって、どのような意味を持つのか、自ら究めてゆくべきでありましょう。

そして、明主様が明示された「資格三条件」を実践の指針として、明主様のご神格を一人ひとりが事実をもって実証できるように努力していくことが大切であります。このことが、本年の重大な意味を持つものであり、この「資格三条件」の実践こそ、和解推進に繋がるのであります。

今日まで繰り返し述べてまいりましたが、和解を目指す営みの中で拝命した教主とし、和解合意を実現することが自らの使命であり、ご神意であると受け止めております。

明主様は、至らない私どもに対し、何故、和解をお許し下さったのか、その背後にあるご意図を学ばなければならないと思います。

何故、明主様が浄化をお与えになられたかについて、私は、主神とご一体となって日々ご経綸を進められる明主様が、本格的なご経綸を進められるにあたり、私どもにどうしても気づき、改めてほしいこと、つまり、み心に沿わないことがあった結果、教団の紛争、分裂、という浄化を下さったのだと受け止めております。

だからこそ、私ども一人ひとり、そして、組織もそのあり方もすべてが、本格的なご経綸を進めていくに相応しい明主様の機関になるために、今までの考え方、あり方の何を転換すべきかを明確にし、それを肝に銘じて行動に移すことこそが、至らない私どもに対して、和解に導いて下さったご神意にお応えする道であると信じております。

そのためにも、前述した「資格三条件」を指針とし、今まで以上にみ教えとご事蹟に求め、それを我が身に置き換えつつ、冒頭申し上げました資料「明主様のご生涯 『救いと建設』」に基づく実践に向けて、お互いに与えられた使命を全うするべく努力精進してまいりましょう。

幸い、広報誌「大経綸」において、各被包括法人の代表の方々がその決意を述べられているように、明主様のご経編に帰一する営みはすでに始められております。

本年は、そうした営みを更に徹底いたしてまいりたいと思います。私どもの周囲、そして足元を見つめますと、浄化はますます厳しくなっております。

浄化が厳しいということは、明主様のみ恵みがいよいよ大きく降り注がれ、私ども一人ひとりの魂の輝きが増し加えられていることを示していると思います。それだけに、明主様が「私の最大目標である地上天国とは、この私の心が共通し、拡大されることである」とみ教え下さっている、その「明主様の心が共通し拡大される」ことの意味を自らの体験を通して、自らの心の奥底で受けとめ、味わいながら、常に明主様のみ心を尋ね求め、明るく希望をもって進むことによって、未来への展望がより大きく開かれてゆくと確信いたします。

おわりに、新しい年の出発にあたり、皆様のご活躍とご多幸をお祈りし、ご挨拶とさせていただきます。

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