2005年度 教主様 新年ご挨拶

世界救世教 教主 岡田陽一

誠に畏れ多きことながら、唯一の神・主神は、ご自身のご神格を明主様にお授けになり、明主様は、救世主としてご降誕になりました。その明主様に結ばれた一員として、新しい年を迎えさせていただいたことに、心からの感謝を捧げ、謹んでご挨拶申し上げます。

新年明けましておめでとうございます。

日本全国、また世界各地において、明主様の大きな愛のみ光に包まれ、夢と希望をもって、輝かしい年の始めを迎えられた皆様のお姿を拝察しつつ、新たな出発をさせていただきたいと存じます。

昨年は、度重なる台風による水害や地震災害が日本列島を襲ったことに代表されるように、内外ともに厳しい浄化の年でありました。

こうした事実を見るにつけ、主神の太初よりのご経綸の中にあって、今という時期は、明主様が仰せになっている大浄化時代の到来を思わせるものがあります。

私は改めて、「如何ならむ天災とても悉(ことごと)は人の作りしものとこそ知れ」との明主様のお歌を通して、災害に直接遭遇するか否かに係わりなく、天災の原因を作り出している一人として、自らの姿を省み、許しを乞い願うとともに、こうした「浄化」がご経綸のうちにあり、そのご経綸にお使いいただいていることを、感謝をもって受けとめることのできるものであらねばならないと思っております。

そのような中で迎えた本年は、立教七十周年、ご昇天五十周年にあたります。

その時に際し、私どもは、今一度、この大転換期にあたり、人類救済と地上天国建設のために立ち上がられた明主様のみ心に求め、ご神業への奉仕を誓い合いたいと思います。

昨年は、明主様が救世主ご降誕を型としてお示しになった「メシヤ降誕仮祝典」より五十周年、そして、その半年後の水晶殿完成の佳き日に、信徒の指針として「浄霊の力の優れた者、多くの人を救い導いた者、神に対する奉仕に働きのあった者」という資格三条件を示されてより五十周年でありました。このこともあり、昨年の新年ご挨拶では、特に、資格三条件と「救いの三本柱」との関わりとその受けとめについて触れさせていただきました。

各被包括法人の皆様には、このことを拠り所として、浄霊をはじめとする「救いの三本柱」の実践に努力精進され、その結果として、大きなご守護と伸展が許されたことを、各々の役員の方々のご報告を通して伺っております。

海外各国における伸展も目覚ましいものがあり、また、「改宗なき浄霊」の具体的展開がそれぞれの特色を生かして進みつつあると伺っております。

MOA美術館では、三被包括法人の信徒による「アートボランティア」活動が今まで以上に高まり、社会的にも大きな評価を得るとともに、国宝・紅白梅図屏風の神秘な画法解明への試みがなされたことが報道され、美術館に対する関心が深まり、数多くの方々のご来訪をいただくなど、喜ばしい動きもありました。

和解合意の推進については、昨年は、和解合意の実現を自らの使命と受けとめております私として、和解の更なる進捗を願い、各被包括法人の祭典行事に出席し、私の思いの一端を述べさせていただきました。

また、共同プロジェクト推進本部のもとにある、和解合意実現への具体的課題を担う各プロジェクトにおいては、三聖地における研修を始め、各プロジェクトに与えられた使命を全うするために、懸命に努力されていると伺っております。

そうした営みの中で、明主様に真向かう拠り所として、地上天国祭を機に発刊された三被包括法人共通の資料「明主様のご生涯『救いと建設』」の学びが、皆様の中で進められていることは、大変意味のあることと思っております。

さらに申し上げたいことは、長い間の懸案であったハワイにおいて、昨年の地上天国祭を前にして、和解合意が成就したことは、大きな成果でありましょう。

冒頭にも申し述べましたが、本年は立教七十周年にあたる節目の年であります。この時にあたって、主神の大命を帯びて立教された明主様の熱きみ心を、当時のご事蹟に求めさせていただきたいと思います。

明主様は昭和九年五月一日、病なき世界実現への核心的方法としての浄霊の救いを世に広めるために、東京の中心地に「応神堂」を開設されました。

そして、この日を起点としてわずか八力月の問に、ご神体となる千手観音像のご揮毫、大日本観音会の規約の作成、善言讃詞のご口述、救いの活動の拠点となる支部の発会等々、まさに凄まじい勢いで、立教への準備をされました。

その頃の時代背景を思いますと、当然に厳しい試練が予想される中、敢然と立ち上がられた明主様のご情熱、そして、その明主様のみもとに馳せ参じた先達の方々の意気込みは、まことに崇高なものがあります。

私どもは、そうした尊い信仰を学び、それを糧として、更に大きく前進してまいりたいものであります。

明主様は、み心のまにまに「救いと建設」のご経綸を進められ、その基礎を確立し、救世主としてのご降誕を成し遂げられて間もなく、神定めのままにご昇天になりました。

本年は、明主様がご肉体という制約から解き放たれて神界にお還りになり、その神界からご経綸を開始されてより五十周年になります。

明主様は、ご昇天を前にして、霊界から「(光を)出します」、「力を振う」、「働きます」と仰せられたように、ご昇天後も霊界、即ち神界から「絶対の力」を発揮され、ご経綸を進めることを明言しておられます。

このことを思います時、私どもにとって何よりも重要なことは、明主様が、大浄化時代の到来の今日、まさに、神界から現界の私ども一人ひとりに霊線を通じて働きかけられ、病貧争絶無の世界の建設、即ち真文明の創造に向けて、「絶対の力」を揮われていることを固く信ずることであります。

そして、明主様が、紛れもなく、私ども」人ひとりの中に生きておられるとの思いを、常に持つことができるよう、養い育てていただくことであります。

明主様は、「指導者は私一人である」、「私から目を放すな。ただ一心に私を見つめて、命がけで仕事をやってくれ」、「私の思った通り、言った通り実行出来る人は英雄だ」と仰せになっておられます。

それだけに、重大な節目にあたる本年は、明主様に帰一する、明主様のご経綸に帰一する道を真剣に求め、その道を着実に歩んでゆくことが求められます。そのためにも、大切なことは、立教時の明主様のみ心に立ち返ることであります。そして、その尊いみ心は、立教の折の「大光明世界の建設」と題する宣言にこめられております。

この宣言の中で、明主様は、大光明世界、即ち新しい文明世界の構成要素と、そうした理想世界が建設されてゆく順序、そして何よりも、明主様の揮われる「絶対の力」によって達成されるのであるとの、確信に満ちたお言葉をお述べになっておられます。

このお言葉を共々に学び、浄霊をはじめとする「救いの三本柱」を実践する中で、個人の救いと完成を基本とし、さらに家庭の天国化をめざし、それを地域、世界へと拡大すべく、努力精進させていただきたいと思います。

加えて、明主様ご昇天後の今、この「絶対の力」を現界でお受けし、取り次ぐ側の私ども一人ひとりの態勢が非常に重要であり、そこにこそ私どもの存在意義があることを忘れてはならないと思います。

明主様は、今日の混沌とする時代にあって、太初よりの主神のご計画に基づき、「絶対の力」、即ち神智・神力を以て「救いと建設」のご経綸をお進めになっておられます。

そのように信ずる私どもにとって、今最も求められていることは、明主様のご経綸に帰一することであります。

と同時に、今日という重大な時に生を与えられ、資格者、信徒として、お互いに明主様に結ばれたものであることに、心からの感謝をお捧げしたいと思います。

この度、私が折にふれ、思いの一端を申し上げた言葉に基づいて、世界救世教としての「指針」がまとめられました。いずれ、広報誌「大経綸」で発表され、皆様のお手元に届くことと思います。

この「指針」に込められた心が、全信徒の皆様の心と一つになり、三被包括法人が打ち揃い、明主様に帰一する道を、力強く歩み出すことができる喜びを共にさせていただきたいものであります。

そのためには、皆様とともに、私自身のより一層の学びと精進が求められていると痛感いたしております。そして、この「指針」のめざすところを、私ども一人ひとりの、そして各々の機関(各被包括法人)の実践課題として受けとめ、明主様に真に結ばれるという一つの目的意識をもち、勇気をもって取り組むならば、必ずや全く新しい燦然と輝く光明の道が拓かれるでありましょう。

と同時に、そのように取り組むことによって、天界からの投影が許され、和解合意のよりよき表現につながるものと確信しております。

そして、そのことがご神業の大いなる前進に結びつくことになると信じております。

救いのみ力がますます増大するに伴って、内外ともにあらゆる面で厳しい状況が現れ、大浄化時代の様相は時とともに進むことと思います。

それだけに、救世主として「絶対の力」を揮われる明主様を求め、信じ、み教えとご事蹟を力とし、戒めとしつつ、ご神業奉仕に邁進し、この時代に生かされていることの真の意味を味わいつつ、そのみ心にお応えさせていただきましょう。

おわりに、皆様の上に、明主様の限りないみ光とみ力を賜りますよう、心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

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