2001年12月23日 御生誕祭ご挨拶

渡辺理事長

教祖言 救世都市構想


これはずっと先の話ですけれど、観音会で将来、観音様から知らされたことなんですが、一つの都会を造るんであります。

仮に十里四方の土地を買うとして、そこへ三里四方くらいの土地を造る。観音会員ばかりの都市を造る。病院とか警察とか裁判所など、そういう忌まわしいもののいっさいない都会。また、文化設備のあらゆるものを取り入れて、また、高壮な建築物もでき、劇場もでき、鉄道など交通機関も完備したすばらしいものができるんであります。これが大光明世界、地上天国の模型で、これが最後にでき、それを世界の人間に見せる。そしてそれを世界各国の都市が見倣うという具合になるんで……なるほど、今日の都会をそういうふうにするのは、改めたり壊したりたいへんであります。

それで、観音会でそういう物を建設するんであります。あるいは小さい国くらいはできるかもしれません。そうすれば、あるいは支那辺りへ一国としてできるかもしれません。日本にも無論一つくらいできます。

昭和10年6月21日


皆様、御生誕祭おめでとうございます。

教主様、三代様におかれましては、大変お健やかであられ、先日も現在の世界における御神業の進展についてご報告させていただき、大変お喜びいただきました。

○○○○を救世都市に

(ブラジルの某市の名称は一応伏せ字にしています。)

私は十一月から十二月初めにかけて、ブラジルとアメリカに行かせていただきました。

ブラジルでは、○○○○市の市長に招かれて同市を訪問しました。人口は約二万人、面積は伊豆半島ほど。○○○○とは「湧きいづる」という意味で、市内に干五百か所以上も大きな湧き水があり、それが大小の川をなし、五十四もの滝ができています。夏ともなれば、多くの観光客が訪れ、急流下り、ロッククライミング、乗馬にサイクリング、キャンプと、エコ・ツアーの最適地として人気を集め、広大な果樹園もある風光明媚なところです。

七年ほど前から○○○○の浄霊センター長がたびたび市長に救世都市構想について伝えており、関心を示した市長がこの三月に、グァラピランガ聖地を訪れたのです。私は市長に会うなり、明主様の御用にお使いいただける方だと直感したので、「あなたは素晴らしい使命を持っている。州統領にもなれるほどだが、もっと大きな使命が神様から与えられていると思います」とお話しました。

以来市長は、何度も聖地に参拝し、浄霊もセンター長から毎日のようにいただくようになりました。八月に宣教本部に私を訪ねてきて、「先生の救世都市構想をまとめたものを何度も読ませていただき、明主様の教えも拝読しております。明主様の望まれる理想都市、地上天国のモデルを○○○○に実現してください。私を明主様のお道具として使ってください。市民の九割、議員の四分の三が味方です」と申し出てくれたのです。本当に嬉しかったですね。信者の市長も大勢いますが、このように言ってくれた市長は初めて。それも未信者さんがです。

明主様のご構想に基づいて

この救世都市構想は、私が初めに言い出したのではなく、明主様です。昭和十年六月二十一日のご講話の中に、将来教団で一つの都市をつくる。その都市が、大光明世界、地上天国の模型になる。それを世界各国の都市が見ならうようになるという主旨をおっしゃっています。私は、この模型を「救世都市」とか「二十一世紀のノアの方舟」と呼ばせていただき、これができて初めて地上天国ができると固く信じて、その実現に努力してきました。

一九九八年に、三代様に「十年以内にブラジルで救世都市建設に着手させていただきます」とお約束したのですが、三年もたってしまいました。すでにいろいろな所に二千町歩ほどの土地は買ったのですが、40km四方の大きな都市をつくるとなると何百億円というお金も必要です。どうしたものかと思っていた矢先、道路や各種の公共施設などのインフラがすでにできあがっている都市を「救世都市にしてください」との要請があり、一銭もいらないのですから予期しなかったことです。

それで、すぐに岡田茂吉財団と○○○○市の間で正式に契約を交わしました。その契約書には、「財団の指導のもとに教育問題、農業問題環境問題に取り組み、造園、慈善運動など文化プロジェクトを展開します」と盟約されているのです。

私は教育こそ最優先されるべきであると市長に伝え、市長の指示のもと、市内の小中学生六千人が、岡田茂吉財団がすすめる「ありがとう運動」に取り組み始めたのです。それは一日一回、「ありがとう」と言ってもらえる善い行いをしようというものです。すると、わずか二か月たらずの間に、先生の言うことも親の言うこともあまり聞かなかった子供たちが、次々に素直ないい子供に変わっていったのです。喜んだのは親たちと先生たちです。それが評判になってテレビで報道されたのですが、子供たちが「先週は「ありがとう」を八十七回もとったの」「毎日十回も「ありがとう」と言われていると、今度は僕に大きな「ありがとう」を言いたくなるようなことが起きるんだよ」と語っておりました。

明主様がすべてご準備

そうした経過から、市長より「ぜひ○○○○を視察して、今後どうしたらいいか指導していただきたい」という要請を受け、今回の訪問になったのです。空港に着き、パトカー先導で市庁舎に向かいました。市長室の壁の額には「モデル都市」と、その下の額には「世界救世教の使命と大自然の法則」が書かれています。

教育長官は、信者さんですから、理想都市にふさわしい青少年を、明主様の思想をもとに育成できます。副市長も信者さんです。それで市長から「市の職員と『ありがとう運動』を展開した十五の学校の先生たちが集まっているので、ぜひ一言と頼まれ、隣の会議室で、岡田茂吉財団の名誉会長として紹介された私は、「理想都市をつくるためには、まずその理想都市に住むのにふさわしい人間にならなくてはいけない。そこに住むすべての人が、利己の心から利他の心に、唯物から唯心になることが最も大切です」というお話をいたしました。

この後、市議会で挨拶をし、外に出るとテレビ局のレポーターからインタビューを受けました。

終わると、いよいよ視察です。きれいな水が豊かな湧水地に続いて、ヘリコプターで上空から視察しました。伊豆半島と同じ面積をもつ○○○○市の広大な農地は、州の管轄から市の管轄に移ったので、今後全部自然農法で開発できるようになりました。

(写真:同市の面積は伊豆半島大。広大な農地で自然農法の実施を目指す。)

翌日、○○○○の浄霊センターを訪問しました。○○○○の信者さんは約六百人ですが、「この二年間に二千人に」と頑張っています。人口二万人の内の二千人は十分の一ですから、すごい力が発揮できます。あらゆるものが備わっている中で明主様の願われた救世都市計画が実行に移せるのですから、明主様が以前から着々と準備を進めてくださっていたとしか思えません。

さらに、十市の市長から「テレビを見たが、救世都市づくりを教えてほしい」という要請がきています。

浄霊リサーチに期待

ブラジルからの帰りに、ニューヨークに立ち寄り、同時多発テロ事件の現場の近くで、ラリー教会長たちと祈りを捧げた後、英米の科学者たちによる「インターナショナル・ジョウレイ・リサーチ会議」に出席しました。そして、ロンドン大学インペリアル・カレッジ医学部のジョン・グルゼリェ博士に「おひかり」をお取り次ぎさせていただきました。今後博士は、他の科学者とともに浄霊研究を進めてくださることになりました。

私は博士に、「ぜひ体内の入浴である風邪の浄化が、人間の健康増進に不可欠なものであることも立証してほしい」とお願いしました。これが本当に実証されると、大変なことが起きます。医学革命です。病気の概念が一八○度ひっくり返ります。世界的センセーションを巻き起こし、あらゆる面でパラダイム・シフトが起きると思います。パラダイムとは、時代の支配的な物の見方のことです。つまり価値観が変わってくるのです。

例えば、「風邪は万病のもと」というのが一般の常識です。それが明主様の言われる「風邪は万病をのがれるもと」となるわけです。すべての病気においても、それが浄化作用だということが分かってくる、明主様の医学革命が起きる発端にもなると思います。さらに一般の常識を超越した明主様のすべての御教えの確かさが立証されるきっかけにもなっていくと思います。難しい研究ですが、神様のされることですから、私は大きな希望をもって、見守っていきたいと思っております。

各国で発展の機運

今や世界中で救世の潮流が生まれてきています。

タイ国では、各種研修会を通して信仰の学びを深め、現在総信徒数は四十万人に届こうとしています。またラオス、マレーシア、ミャンマー、カンボジアなどの近隣諸国、東南アジア諸国へも教線をのばしています。九月には、サラブリの救世会館で、農業振興、環境保全への取り組みを中心に「二十一世紀の国づくりの提案を」との願いから、「第一回サラブリ・フォーラム」が、約千人の有識者を集めて開催され、熱気あふれる素晴らしい大会だったそうです。本当にタイの先生方、そして信者さん方のご努力に感謝申し上げたいと思います。

この他にも、キリスト教圏では、牧師や神父が「おひかり」をいただき、浄霊実践に励んでいます。また、スリランカなどでは、僧侶や仏教徒、ヒンズー教徒、イスラム教徒たちが、浄霊をするために「おひかり」を次々にいただいています。アフリカも、一九九九年の八月前には信徒数二千人でしたが、今では五千五百人です。一年半で倍加どころか、あと五百人で三倍加です。その他、世界の各地で多くの奇蹟とともに大きな発展が許されています。

平安郷は世界の型

こうした一連の世界での発展を見ますときに忘れてはならないことは、日本の平安郷建設の進展が、世界に影響を及ぼしているということです。

明主様が京都・平安郷を天国の雛型と定められて、来年で五十年になります。三代様にご出座いただいた三年前の平安郷造営起工祭以来、次々と隣接地が入手されています。

二〇〇二年春には、「平安郷研修センター」も着工する運びとなり、また、広沢池のほとりの旧森田邸も自由に使えるようになりました。これからどんどん建設が進められ、それにつれて世界で発展が許され、世界救済が進んでいきます。

ということは、世界布教は、皆さんの肩にかかっているということです。日本は、御神業上、霊的に非常に重要な役割があります。それは、世界の型をするということです。その意味からも、皆さんの聖地建設への誠からのご奉仕に、心より感謝申し上げたいと思います。

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